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2020.02.29

複数就業者 雇用・労災で保護強化


厚生労働省は、雇用保険法改正案、高年齢者雇用安定法改正案、労災保険法改正案など、主要労働5法案をまとめた

「雇用保険法等の一部改正案要綱」を作成した。今通常国会へ一括審議法案として提出する。マルチジョブホルダー(複数就業者)

に対する雇用保険と労災保険の適用に関する取扱いや高年齢者の70歳までの就業機会の確保などが柱となる。

令和2年度の失業給付等の保険料率は1000分の6(労使折半)で、今年度から変更はない。

 雇用保険法改正案では、65歳以上の高年齢者のマルチジョブホルダーに対する保護制度を創設する。


 1つの事業所での週所定労働時間が20時間未満であっても、2つの事業所における週所定労働時間の合計が20時間以上であれば、

申出によって特例的に高年齢被保険者として取り扱う。ただし、申出する高年齢者の週所定労働時間が5時間以上であることが

条件となっている。


 近年、定年や継続雇用制度の期間を過ぎて就労する65歳以上の高年齢者において、マルチジョブホルダーとしての働き方が

相対的に高い割合で増加している。このため、マルチジョブホルダー全体ではなく、まずは65歳以上の労働者を対象に、

特例的に適用する。改正法の施行後5年を目途にその効果を検証する考えである。


 失業時には、高年齢求職者給付(一時金方式)を支給する。一事業所のみを離職する場合であっても、

その事業所での賃金に基づき算出して給付する。


 令和2年度の雇用保険率は、1000分の9(事業主負担分は1000分の6、うち二事業の保険料率1000分の3)で、変更はない。

 労災保険法改正案においても、マルチジョブホルダーに対する新たな給付制度を創設する。複数就業労働者が労災に遭った場合、

使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎とし、省令で定めるところによって政府が算定する額

を給付基礎日額とする。省令は、改正法成立後に定める。

 労働施策総合推進法改正案は、労働者の職業選択に資するよう、職場や職業に関する事項の情報提供に向けた必要な対策を充実させる。


 具体的には、中途採用に関する情報の公表を促進させるため、常時雇用する労働者が300人を超える事業主は、省令で定めると

ころにより、通常の労働者などに占める中途採用者の割合を定期的に公表しなければならないとした。


 高年法改正案は、事業主に対し、65~70歳までの高年齢者に安定した就業を提供する努力義務を課す。

定年の引上げまたは廃止、65歳以上の継続雇用制度の導入、起業や社会貢献活動への支援などがメニューとして挙がっている