お客様からのご要望や相談事例
- 貢献度に応じて賃金や賞与を支払う仕組みを作って、従業員にやる気や向上心を持たせたい
- 若手人材の採用を有利に行い、またその定着を図るために、将来のキャリアモデルやモデル年収を「見える化」したい
- 人事評価をキチンと行って、給与や賞与について社員に説明できるようにしたい
- 管理職が部下を適切に評価し育成できる仕組みを作りたい
- 年功序列の人事・賃金制度から脱却して、社内の活性化を図りたい
- 大手のコンサルタント会社に人事評価制度や賃金制度の設計を頼んで、見栄えのいいものを作ってもらったが、難しくて使いにくい(あるいは全然使ってない)etc.
当事務所で提供できるサービス
評価制度や賃金制度といった人事制度には、残念ながら、どの企業にも問題なく当てはまる「これが正解!」というものはありません。むしろ、同じ業種や規模の企業であっても、その会社の組織風土や成熟度、あるいは経営者が目指す組織の方向性などに応じて、適合する制度は異なってくるのが自然であり、自社に合わない間違った制度の設計・導入は、かえって社員のやる気を減退させ、離職率をも高めることがあります。
では、組織の発展と従業員の成長に資する人事制度とは、どのような制度なのでしょうか?
私たちは、人事制度の設計・導入を成功させる上で、絶対に外せないポイントは以下のとおりであると考えております。
- 組織が目指す方向性や、組織として大事にすべき価値観が従業員に伝わる制度
- 従業員に期待する行動や成果がある程度明確で、何をすれば評価されるのか、何ができるようになったら昇格できるのかがわかる制度
- キャリアモデルと、それと連動するモデル給与ないしモデル年収を明確にすることにより、従業員に将来的な安心感や希望を与える制度
- 自社で持続的な運用ができるレベルのシンプルな制度
- それを運用して部下を育てようとする管理職の育成マインドと、効果的な人材育成のためのコミュニケーションの仕組み
当事務所では、以上の5つのポイントを押さえた上で、その企業様の発展と従業員の成長に繋がる最適な人事制度の設計をお手伝い致します。
なお、制度導入後の運用面のフォローについても承っておりますので、ご安心下さい。
人事制度設計コンサルティングの流れ
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STEP 1 – ビジョンの確認
ビジョンの確認評価制度や賃金制度といった人事制度を整備することで、「近い将来どのような会社になっていたいのか」という経営陣が思い描く理想のゴールの姿(ビジョン)を、先ずは明確化するところから始めます。 -
STEP 2 – 部門ミッションと組織体制の再検討
ビジョンを実現していくために、「最適な組織体制とは?」、そして「各部門のミッション(目的・使命)は何か?」「重要なポジションと、そのポジションに期待される役割は何か?」を検討します。
コンサルティングの現場でよく見受けられるのは、例えば、同じ「課長職」でも、能力的な身分としての「課長」と、本当にマネジメント責任を負っている「課長」とが混在している状況にあったりすることです。
ここでは、『能力的な身分としての役職』と、『ポジションとしての役職』をもう一度整理して、最適な組織図(ないし役割体系図)を再検討し、重要なポジションの設定、そのポジション毎に期待される役割の明確化なども行います。 -
STEP 3 – 等級制度の設計
等級制度とは、従業員を、その能力や役割の大きさに応じて数段階にグルーピングしたもので、いわば人事制度の骨格となる部分ですが、これを適切に設計することで、
以下のような効果が期待できます。- 現時点における従業員個々の能力の高さや役割の大きさを示す指標となり、各人に期待する行動、能力、役割などが等級ごとに明確になるので、目標設定や評価が行いやすくなる
- 等級と報酬制度(賃金・賞与・退職金制度)をリンクすることで、貢献度に応じた報酬決定や報酬配分が可能となる
- 企業ビジョンや部門ミッションの実現に必要な理想の人材への成長ステップのあり方を示すキャリアパスにもなり、本人にとっても、管理職にとっても、成長・育成のためのツールとして活用ができる
なお等級制度には、職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度など様々な手法がありますが、職種や階層別に、その企業様に合った最適な組み合わせをご提案致します。
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STEP 4 – 人事評価制度の設計
人事評価制度は、次の3つの仕組みを設けることが一般的です。- 業績評価 … 半期など一定期間の行動や成果を評価するもの ⇒ 賞与に反映
- 能力・役割評価 … 能力の向上度や期待される役割の遂行度等を評価するもの ⇒ 昇給に反映
- 昇格審査 … 上位の等級への昇格が可能か否かを判定するもの ⇒ 等級昇格に反映
なお、評価制度の適切な設計は勿論、管理職と部下による評価面接を制度化することにより、従業員の成長意欲や組織への帰属意識などをより高める仕組みの構築を目指します。
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STEP 5 – 賃金制度の設計
基本給は、等級制度とリンクさせることにより、能力の高さや役割の大きさに応じた報酬決定を可能とする仕組みを設計しますが、初任給の決定など採用面で不利にならないような工夫や仕組みも考慮する必要があります。また、諸手当については、現行の手当にとらわれることなく、今後、その支給が必要であると考えるものを再設定するのが一般的です。
なお、新給与制度への移行は、原則として、現在の給与総額の範囲内で行います。以下は、賃金制度設計の一例です。 -
STEP 6 – 賞与制度の設計
賞与は、一定期間の業績配分という短期的な性格を持つ報酬ですので、等級と人事評価の結果を用いて、総額予算の範囲内で、一定期間の貢献度に応じた分配を可能とする仕組みを設計します。
以下は、賞与制度設計の一例です。 -
STEP 7 – 退職金制度の設計
退職金は、長期勤続に対する功労報償的な性格を持つ報酬ですが、退職金制度を設計・改革する場合の検討課題は、主に以下のとおりです。- 在職期間中の貢献度を退職金額にどの程度反映する仕組みとするのか?
- 退職金の支給水準は、パターン別にどの程度にするのか?
- 積立制度として、どの制度を利用するのか?
- 将来、予定していた積立額に追いつかなかった場合(積立不足の場合)の運用責任を、会社が負う確定給付型の仕組とするのか、あるいは会社が責任を負わない確定拠出型の仕組とするのか?
現行制度についての現状分析も行いながら、以上の課題について検討をし、最適な退職金制度を設計致します。
なお、新退職金制度の支給額が、既存の退職金制度の支給額より低くなる場合は、後々、労使紛争に発展する可能性もあるため、法的なケアも適切に行うことが重要です。
各報酬制度の設計にあたっては、現行制度の現状分析と、新制度への移行後のシミュレーションを重ねることにより、持続可能な最適な仕組みをご提案致します。 -
STEP 8 – 評価者研修
人事評価制度の運用の鍵である管理職(評価者)への研修は欠かせません。
新しい人事制度(特に評価制度)の趣旨や制度の内容について説明を行いつつ、評価者が陥りやすいエラーや、効果的な面接の仕方等についても研修を行って、管理職の皆さんが自信を持って部下の評価を行えるようにサポートします。 -
STEP 9 – 従業員説明会
人事制度のユーザーはその企業の従業員ですので、従業員の皆さんへの説明会は欠かせません。なお、より効果的な説明会とするためには、- 新人事制度の導入により、近い将来、どのような会社、どのような組織、どのような部門を作っていきたいと会社は考えているのか
- そのためには従業員の皆さんに、今後どのような成長や役割を期待しているのか
- 能力的な成長や役割・貢献度の向上に応じて、どのような報酬を得ることが可能なのか
- 従業員の成長のために、会社はどのような支援を行っていく予定なのか
といった流れで、新制度導入の趣旨や目的を中心に説明し、従業員の皆さんの前向きな理解を得ていくことが重要であると考えます。