学生の頃は街づくりに興味があり、大学では建築系の学科に進み都市計画を学んできました。大学卒業後は大手製造業の不動産部門に就職し、不動産事業部に配属されましたが、段々売上が減り、40歳になった頃、事業部の廃止が決定しました。グループ会社への転籍という道も与えられましたが、私は新しい仕事をしたいという気持ちが強く、グループから離れ自力で転職活動をすることを決めました。

　しかしながら、その時の私はなんの資格も持っていませんでした。資格がなくては年齢的にも再就職も難しいであろうと思い、まずは資格取得を目指しました。いろいろな資格の中で、「社会保険労務士」という資格に少しひかれました。その時は社会保険労務士という存在も知りませんでしたが、テキストを読み進めるうちに、内容が身近に感じられ興味を持って勉強することができました。試験は運よく合格でき、就職活動を始めたのですが、ここから先が大変でした。社労士事務所への就職を考えていましたが、履歴書を送ってもすべて書類選考で落とされます。やはり未経験で採用してくれる事務所は少ないようでした。そんな中、吉池労務管理事務所の方から面接に来てほしい、との連絡をもらい喜んで面接に行ったのを覚えています。当時の事務所は未経験の人も積極的に採用する方針だったとのことで運よく採用してもらうことができました。

　まったくの未経験で入社したので、しばらくのは他の職員の顧問先の手続きを先輩に教えてもらいながら一つ一つ修得していきました。同時に、所長や先輩が顧問先を訪問する際に同行させてもらい、社労士としてのお客様への対応も丁寧に教わってきました。入社して３ヶ月経過した頃、たまたま先輩職員が退職することとなり、その先輩の担当顧問先を数社まかせて頂くこととなりました。最初は未経験の自分にできるのかという不安もありましたが、幸いなことに未経験の私を温かい目で見てくれるお客様が多く、臆することなく対応することができました。今思えば、未経験の私でも対応しやすいお客様を選んで私に担当させてくれたのだと事務所に感謝しています。その後は、12年間にわたり多数のお客様を担当しましたので、様々なトラブルへの対応も身につき、ほぼ自力で顧客対応できるとこまで成長したような気がします。

　お客様の労務トラブルを解決してあげることは、とてもやりがいのある仕事です。うまく解決できたときは本当に達成感があります。でも、労務トラブルを未然に防ぎ、労使トラブルを発生させないことが本当の社労士であるというのが当事務所の考えです。この点に関しては、まだまだ経験不足であることを痛感させられます。今後はさらに経験を積んで、本当の社労士になれるよう頑張ろうと思います。